子育てエコホーム支援事業解説(新築+リフォーム)
先日、国土交通省より、こどもエコすまい支援事業の後継事業である『子育てエコホーム支援事業』が発表されました。
こどもエコすまい支援事業を利用されてきた工務店様やお施主様にとっては
概ね事業内容が引き継がれているので、理解しやすいかと思いますが、
今回は初めて利用される方にも分かりやすいように1から解説していきます!
全てを記載すると長くなってしまうので、優先的にチェックすべきポイントを
ピックアップしていくので、完全版は公式の解説をご確認ください
子育てエコホーム支援事業について
対象となる事業は?
①注文住宅の新築
子育て世帯、若者夫婦世帯が新たに建てる、2023年11月2日以降に基礎工事以降の工程の工事に着手したもの
※子育て世帯とは
申請時点で18歳未満の子を有する世帯=2005年4月2日以降生まれの子がいる世帯
ただし、2024年3月末までに工事着手する場合は2004年4月2日以降生まれならOK
⇒実子でなくとも対象となります(孫や養子など)
※若者夫婦世帯とは
申請時点でいずれかか39歳以下の夫婦である世帯=どちらかが1983年4月2日以降生まれの世帯
ただし、2024年3月末までに工事着手する場合はいずれかか1982年4月2日以降生まれならOK
②新築分譲住宅の購入
2023年11月2日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手し、子育て世帯、若者夫婦世帯が購入する新築住宅
※契約締結時点で完成から1年以内かつ居住実績のない住宅が対象となります
③リフォーム
2023年11月2日以降に工事に着手するもの
ただし、2024年12月31日または予算終了のどちらか早い方までに
対象工事が完了した上で交付申請が可能なものに限ります
※子育て世帯・若者夫婦世帯は発注者が自ら居住する住宅が対象
その他世帯は法人等も含み、自己居住は問いません
新築の対象要件と補助金額は?
世帯要件:子育て世帯または若者夫婦世帯
住宅要件:以下の①・②のいずれか(+諸条件)を満たすもの
①長期優良住宅
②ZEH住宅
※ZEH住宅は強化外皮基準(長野市ならUA値0.6以下)を満たし
一次エネルギー消費量-20%に適合するものが対象(太陽光発電システムは必須ではありません)
補助金額:以下の①・②のいずれかを満たす住宅にそれぞれ定められた金額を補助
①長期優良住宅:100万円
②ZEH住宅 :80万円
※ただし市街化調整区域かつ土砂災害警戒区域または浸水想定区域に立地している場合は
補助金額が半額となります(長期優良住宅:50万円、ZEH住宅:40万円)
リフォームの対象要件と補助上限金額は?
世帯要件:なし(子育て世帯、若者夫婦世帯への優遇措置あり)
対象工事:必須工事と任意工事があり、補助金額5万円以上から申請可能です
※ただし本事業が含まれる『住宅省エネ2024キャンペーン』の他事業との併用で
必須工事を満たしているとみなされ、最低申請額も2万円に引き下げられます
対象製品:事務局に登録された型番のもの
必須工事:①~➂のいずれか必須
①開口部の断熱改修
②外壁、屋根・天井または床の断熱改修
➂エコ住宅設備の設置
任意工事:①~➂のいずれかと併せて申請することで対象となります
④子育て対応改修
➄防災性向上工事
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
補助上限金額:世帯の属性と付加条件により上限額が変動
リフォーム工事それぞれの補助金額は?
①開口部の断熱改修
開口部はガラス交換、内窓設置・外窓交換、ドア交換の3分類を大・中・小の3サイズ(ドア交換は2サイズ)に区分し
性能に応じて省エネ基準レベル、ZEHレベルの2分類で補助金額を算定します
ガラスサイズ基準
大:1.4㎡以上
中:0.8㎡以上1.4㎡未満
小:0.1㎡以上0.8㎡未満
窓サイズ基準
大:2.8㎡以上
中:1.6㎡以上2.8㎡未満
小:0.2㎡以上1.6㎡未満
ドアサイズ基準
大:開戸:1.8㎡以上 引戸:3.0㎡以上
中:設定なし
小:開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満 引戸:1.0㎡以上3.0㎡未満
性能基準:地域区分(地域区分確認表)ごとに定められた熱貫流率の基準値
※こちらは数値よりも対象となる製品の仕様で覚えると良いです
後日メーカーより公表される対象製品リスト等で確認可能です
現在公開されている現行事業の登録製品から大きく変わらないものと考えられますので
参考としてリンク先の商品リストをご確認ください
LIXIL補助金対象製品リスト
YKK補助金対象製品リスト
②外壁、屋根・天井または床の断熱改修
各部位に対して、A-Fの断熱材区分(断熱材区分リスト)に応じた最低使用量が定められている
その使用量で全体改修・部分改修が判定され、部分改修は全体改修の半分の使用量が求められる
以下は戸建住宅の最低使用量(共同住宅の最低使用量はこちら)
省エネ基準レベル
A-1、A-2、B、C
外壁 :全体:6.0㎥
屋根・天井:全体:6.0㎥
床 :全体:3.0㎥
D、E、F
外壁 :全体:4.0㎥
屋根・天井:全体:3.5㎥
床 :全体:1.0㎥
ZEHレベル
A-1、A-2、B、C
外壁 :全体:11.0㎥
屋根・天井:全体:12.0㎥
床 :全体:6.0㎥
D、E、F
外壁 :全体:7.0㎥
屋根・天井:全体:8.0㎥
床 :全体:3.0㎥
➂エコ住宅設備の設置
対象設備ごとに戸当たり1台または1台当たりの基準で補助額が設定されています
戸当たり1台:太陽熱利用システム(太陽光発電システムではありません)、高断熱浴槽、高効率給湯器、蓄電池
1台当たり :節水型トイレ、節湯水栓
④子育て対応改修
1:家事負担の軽減に資する設備の設置
後の項目で出てくる『キッチンセットの交換を伴う対面化改修』を利用する場合はレンジフード、コンロは対象外となります
原則戸当たり1台で補助額が設定されていますが、集合住宅で設置されている複数戸が共用で使用する宅配ボックスは
BOX当たりでの補助額設定となります(上限20台)
宅配ボックスの設置詳細
2:防犯性の向上に資する開口部の改修
上記項目の対象製品として事務局に登録された製品を用いた改修が対象となります
➀開口部の断熱改修とは併用できず、いずれか補助金額が高い方で申請となります
3:生活騒音への配慮に資する開口部の改修
上記項目の対象製品として事務局に登録された製品を用いた改修が対象となります
➀開口部の断熱改修とは併用できず、いずれか補助金額が高い方で申請となります
4:キッチンセットの交換を伴う対面化改修
改修前、改修後ともにシンク、調理台、コンロ(IH含む)、調理用換気設備が設置され
移設ではなく改修によって新たに対面化したキッチンが対象となります
前述の『掃除しやすいレンジフード』、『ビルトイン自動調理対応コンロは』合算申請できませんが
『節湯水栓』、『ビルトイン食器洗機』は合算申請が可能です(例:90,000円+5,000円+21,000円)
キッチンセットの交換を伴う対面化改修のポイント
➄防災性向上改修
既存のガラスまたは外窓を事務局に登録された防災合わせ安全ガラスを採用した製品へ交換する工事が対象となります
⑥バリアフリー改修
全て箇所数によらず、対象工事の種類に応じて計算されます
工事ごとの諸条件はこちら
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
エアコンの冷房能力と台数に応じて計算されます
3.6kWはいわゆる12畳用、2.2kWはいわゆる6畳用となります
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱う
リフォーム瑕疵保険及び大規模修繕工事瑕疵保険である必要があります
おおまかな概要は以上となります
次回は申請編を予定していますので、公開まで今しばらくお待ちください