長野県エネルギーコスト削減助成金|申請攻略ガイド
📢 二次公募の情報(2026年7月中旬予定)
令和8年度(2026年度)の一次公募分は予算総額に達し受付を終了しましたが、7月中旬に二次公募が予定されています。
申請を検討している方は、今のうちに準備を進めておきましょう。
制度の最新情報は公式サイトでご確認ください。
この記事でわかること
・長野県エネルギーコスト削減助成金の基本コース・促進コースの違い
・工務店様がお客様に提案できる対象設備の一覧
・「SDGs推進企業登録」「温暖化対策計画書」の具体的なクリア方法
・申請で失敗しないための注意点と準備のタイミング
対象となる方:長野県内の中小企業者にエネルギー設備の導入・更新を提案したい工務店様
📝 どちらのコースが向いている? 30秒診断
気になる選択肢をタップ(クリック)すると、回答が開きます。
Q1. お客様(申請予定の中小企業)は、過去にこの助成金を受けたことがありますか?いいえ、初めて申請する
いいえ、500万円超の大規模工事を検討している
✅ 促進コースを検討しましょう
補助率3/4・上限1,500万円。
ただしSDGs推進企業登録と温暖化対策計画書の提出が必要です。
登録に3か月かかるため、今すぐ準備開始が必要です。
→ 促進コースの詳細を見る
はい、以前に受けたことがある
✅ 促進コースのみ申請できます
基本コースは初回限定です。
SDGs推進企業登録と温暖化対策計画書の提出で、補助率3/4・上限1,500万円の促進コースに申請できます。
→ 促進コースの詳細を見る
【制度概要】そもそも「エネルギーコスト削減助成金」とは?
「エネルギーコスト削減助成金」とは、長野県が国の重点支援地方交付金を活用して実施する、中小企業向けの省エネ設備導入助成制度です。
電気代・ガス代などのエネルギーコストが高騰するなか、県内の中小企業が省エネ設備を導入・更新しやすいよう、費用の1/2〜3/4を補助してくれます。
工務店の皆様にとっては、自社事業所への導入だけでなく、お客様(取引先の中小企業)への提案ツールとしても活用できます。
| 項目 | 基本コース | 促進コース |
|---|---|---|
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 | 対象経費の3/4以内 |
| 下限額 | 50万円 | (記載なし) |
| 上限額 | 500万円 | 1,500万円 |
| 申請資格 | 初めて申請する方 | 過去受給者もOK |
| 追加要件 | なし | SDGs登録+計画書提出 |
対象は長野県内に事業所を有する中小企業者等。
県外に本社がある企業でも、県内事業所への投資であれば対象になります。
【基本コース】補助率1/2・上限500万円の詳細
基本コースは、この助成金を初めて使う中小企業が対象のコースです。
追加の書類手続きが少なく、比較的スムーズに申請できるのが特徴です。
申請要件(基本コース)
- 長野県内に事業所を持つ中小企業者等であること
- これまでにこの助成金を受けたことがないこと
- 対象設備がトップランナー基準を満たしていること
- 他の国・県の補助金と重複して使用しないこと
「まず制度を試してみたい」「最初の一歩を踏み出したい」というお客様には、まず基本コースから案内するのがおすすめです。
【促進コース】補助率3/4・上限1,500万円の詳細
促進コースは補助率が3/4に上がり、最大1,500万円まで補助が受けられます。
大規模な設備更新を検討しているお客様や、すでに基本コースを使ったことがあるお客様に適しています。
ただし、以下の2つの追加条件を満たす必要があります。
この条件の「どう準備すればいいか分からない」という声が最も多い部分ですので、後の章で詳しく解説します。
促進コースの追加条件(2点)
- ① 長野県SDGs推進企業登録(登録に最大3か月かかる)
- ② 事業活動温暖化対策計画書の提出
どちらも「難しそう…」と感じるかもしれませんが、実は手順を知れば対応できます。
詳しくは第6章・第7章をご覧ください。
【対象設備】工務店様が提案できる設備はどれ?
工務店として注目したいのは、どの設備が補助の対象になるかです。
以下に整理しました。
設備の「更新」が対象(両コース共通)
既存設備を省エネ性能の高いものに入れ替える場合は、両コースともに対象です。
| 設備カテゴリ | 例 |
|---|---|
| 空調・換気 | エアコン、換気扇、熱交換型換気システムなど |
| 照明 | LED照明、センサー付き照明など |
| 冷蔵・冷凍 | 業務用冷蔵庫、冷凍ケースなど |
| 断熱ガラス・サッシ | 複層ガラス、断熱サッシへの交換 |
| 加熱・恒温設備 | 高効率ボイラー、給湯器など |
| 生産設備 | 省エネ型の製造・加工機器など |
設備の「新設」が対象(コースにより異なる)
| 設備 | 基本コース | 促進コース |
|---|---|---|
| 太陽光パネル(50kW未満)+付属設備 | ✅ 対象 | ✅ 対象 |
| エネルギー管理設備(BEMS等) | ✅ 対象 | ✅ 対象 |
| EV用充電器 | ❌ 対象外 | ✅ 対象 |
| 風除室・エントランスドア | ❌ 対象外 | ✅ 対象 |
| カーポート | ❌ 対象外 | ✅ 対象 |
工務店様が施工できる断熱サッシ・窓の交換、太陽光パネルの設置、風除室・EV充電器の新設なども対象です。
「うちで工事できるものが補助の対象になるか?」と迷う場合は、事務局や私たちにご相談ください。
【必須要件】「トップランナー基準」って何?証明方法を解説
導入するすべての設備は、「トップランナー基準」を満たしていることが条件です。
トップランナー基準とは、省エネ法に基づく省エネ性能の目標基準値のことで、「十分に省エネ性能の高い製品である」ことを示します。
難しく聞こえますが、以下の3つのいずれかで証明できます。
- ① 国の省エネ補助金(設備単位型)の補助対象設備リストに掲載されている製品を使う
- ② 省エネ法の消費効率等目標基準値を満たすことの証明書を取得する
- ③ 既存設備との性能比較データを用意する(新設の場合は不要)
メーカーのカタログや仕様書に省エネ性能の記載があれば、多くの場合①か②で対応できます。
機器選定の段階でメーカーに確認しておくと安心です。
【促進コース条件①】SDGs推進企業登録の進め方
促進コースを申請するには、長野県SDGs推進企業への登録が必要です。
「SDGsって難しそう…」と感じる方も多いですが、手順を知れば意外とシンプルです。
SDGs推進企業登録とは?
長野県が推進する制度で、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業を県が登録・公表するものです。
省エネ・環境への取り組みを対外的に示す機会にもなります。
詳細は長野県の公式サイト(nagano-sdgs.com)で確認できます。
登録のポイント
- 登録完了まで最大3か月かかるため、促進コースで申請したい場合は早めの手続きが必須
- 申請書類には自社の環境・社会への取り組みを記載する項目がある(難しい場合は事務局に相談可)
- 一度登録すれば、今後の助成金申請や営業活動にも活用できる
⏰ タイミングが重要です
「促進コースで申請しよう」と決めたら、助成金の申請より3か月前には登録申請を済ませる必要があります。
次回募集の開始を待ってから動き始めると間に合わない可能性があります。
【促進コース条件②】温暖化対策計画書の作り方
もう一つの条件が、「事業活動温暖化対策計画書」の提出です。
これは「自社がどのようにCO₂排出量を削減するか」を記載した計画書です。
難しく聞こえますが、県や事務局のサポートを受けながら作成できます。
- 記載内容:事業所のエネルギー使用量、削減目標、具体的な取り組み内容など
- 無料の「Eツール(エネルギーコスト削減促進ツール)」を使えば、削減効果のシミュレーションが可能
- 不明点は長野県中小企業GX推進事務局に相談できる(電話:050-5538-4051)
「計画書の内容は難しそう」と思う方は、まず事務局に電話してみてください。
担当者が作成をサポートしてくれます。
【営業活用】お客様への提案はこのステップで進めよう
工務店の営業担当者として、この助成金をお客様に案内するときの流れをご紹介します。
「どのタイミングで切り出すか」「何から話すか」を整理しておくと、商談がスムーズになります。
特に提案が刺さりやすいお客様像
- 「最近、電気代やガス代が上がって困っている」と話している製造業・飲食業・小売業のお客様
- 老朽化した空調・照明・冷蔵設備の更新を検討しているが「費用が心配」と話しているお客様
- 太陽光パネルや断熱改修に関心はあるが「補助があれば…」と踏み出せていないお客様
- SDGsや環境対応に積極的で、促進コースの条件(SDGs登録・計画書)を前向きに受け入れてくれそうなお客様
提案の3ステップ
| ステップ | やること | 伝えるポイント |
|---|---|---|
| ①ヒアリング | エネルギーコストの悩みを聞く | 「電気代・ガス代は最近上がっていますか?」から入ると話しやすい |
| ②制度紹介 | 助成金の概要と補助額イメージを伝える | 「費用の半額〜3/4を補助してもらえる制度があります」と金額感から入ると関心を持ってもらいやすい |
| ③条件確認 | 過去の受給歴・設備の規模感を確認 | 「以前この助成金を使ったことはありますか?」でコースを絞り込める。立替が必要な点も先に説明しておく |
💡 資金繰りについてお客様に伝えるべきこと
この助成金は後払い(精算払い)です。
工事費はいったん全額お客様が負担し、実績報告後に助成金が振り込まれます。
「補助金が出たら払う」という段取りはできないため、資金計画や融資との組み合わせも含めてご提案されると親切です。
【申請の流れ】工務店がやるべきことを時系列で整理
申請から助成金受取までの流れを、工務店視点で整理しました。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ①事前準備 | コース選択・設備選定・見積取得 | 50万円以上の設備は2社以上から見積もりが必要 |
| ②交付申請 | 必要書類を揃えて事務局へ提出 | 申請後約1か月で交付決定通知が届く |
| ③工事・発注 | 交付決定後に発注・工事開始 | 交付決定前の発注は原則補助対象外(事前着手届出書で対応可能な場合あり) |
| ④実績報告 | 設備更新・支払い完了後に実績報告書を提出 | 既存設備の廃棄証明(マニフェスト等)も必要 |
| ⑤現地調査 | 事務局による現地確認 | 設備の設置状況・廃棄確認などが行われる |
| ⑥助成金交付 | 審査完了後に振込 | 工事費の立替が必要なため、資金計画に注意 |
助成金は後払い(精算払い)のため、工事費はいったん全額支払う必要があります。
お客様への提案時には、この点も事前にお伝えください。
【注意点】よくある失敗と落とし穴
申請後に「対象外だった」「返還を求められた」とならないよう、特に注意が必要なポイントをまとめました。
❌ 交付決定前に発注してしまった
原則として、交付決定の通知を受けてから発注・工事開始する必要があります。
急ぎで工事したい場合は「事前着手届出書(様式第2号)」を提出することで対応できる場合がありますが、交付決定されなければ補助対象外となるリスクがあります。
❌ 中古品やリース設備を使った
中古品・リース設備は補助対象外です。
新品の購入に限られます。
❌ 運搬費も補助に含めてしまった
機器の運賃・運搬費は補助対象外です。
工事費・設備費と明確に分けて見積書を作成してください。
❌ 既存設備を廃棄せずに保管した
既存設備は原則廃棄処分が必要です。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)など廃棄の証明書類を保管・提出する必要があります。
「古い設備を倉庫に置いておく」という対応はNGです。
❌ 国・県の他の補助金と併用した
同一設備に対して国や県の別の補助金との併用はできません。
複数の補助金を検討している場合は、どの設備にどの補助金を使うかを事前に整理しておきましょう。
❌ 相見積もりを1社しか取らなかった
単価50万円(税抜き)以上の設備は、2社以上から見積もりを取得し、安価な方を選ぶことが必要です。
自社施工の場合でも、他社の見積書を取り寄せる必要があります。
【まとめ】次回申請に向けた準備チェックリスト
一次公募分は予算終了となりましたが、7月中旬に二次公募が予定されています。
今すぐ準備を始めれば十分間に合います。
特に促進コースを狙う場合はSDGs登録に最大3か月かかるため、申請開始を待たずに動き出すことが重要です。
✅ 次回申請に向けた準備チェックリスト
- □ 基本コース・促進コースのどちらが適切か確認した
- □ 促進コースを希望する場合、SDGs推進企業登録を申請した(or 申請予定)
- □ 対象設備のトップランナー基準適合を確認した(メーカーに確認済)
- □ 50万円以上の設備は2社以上の見積もりを用意できる体制にある
- □ 既存設備の廃棄手順(産廃マニフェスト)を把握している
- □ 公式サイトをブックマークして次回募集情報を確認できるようにした
制度を最大限に活かすためには、「次の募集が始まってから動く」では遅いことがほとんどです。
今のうちに条件整理・設備選定・事前登録を進めておくことが成功の鍵です。
助成金の活用・設備提案のご相談はお気軽に
「うちのお客様がこの助成金を使えるか確認したい」「対象設備として何を提案すれば良いか悩んでいる」という場合は、ぜひお問い合わせください。
制度の活用からお客様への提案サポートまで、一緒に考えます。
よくある質問(Q&A)
Q. 工務店自身も申請できますか?
はい。工務店も中小企業であれば、自社事業所の省エネ設備更新に活用できます。
お客様への提案と並行して、自社の設備更新にも活用を検討してみてください。
Q. 施工と設備、どちらの費用が対象ですか?
設備費・工事費(据付費)が対象です。
ただし運搬費・廃棄費は対象外です。
見積書は費用項目を明確に分けて作成してください。
Q. 太陽光パネルは何kWまで対象ですか?
出力50kW未満の太陽光パネル(付属設備含む)が対象です。
補助額は発電設備の場合「出力1kW当たり4万円以内」という別の上限も設けられています。
大規模な設置を検討している場合は事務局に事前確認することをお勧めします。
Q. 申請書類の準備が不安です。サポートはありますか?
長野県中小企業GX推進事務局(電話:050-5538-4051 / 平日9:30〜17:30)が相談を受け付けています。
温暖化対策計画書の作成支援も行っています。
説明会資料・動画・申請簡易診断ツールも公式サイトで公開されています。
Q. 県外に本社がある企業のお客様でも対象になりますか?
はい。県外本社でも、長野県内に事業所があり、その事業所への投資であれば対象になります。
ただし業種によっては対象外の場合もありますので、事前に事務局に確認することをお勧めします。
出典:長野県「エネルギーコスト削減助成金(中小企業者向け)公式サイト」(最終確認:2026年6月)